社会派リポーターJORIが
あなたのGWを彩る、アカデミックGWな情報をお届けします。
まずは、「最上義光歴史館」。
現在、企画展
「鐵[kurogane]の美2007」 〜山形ゆかりの刀匠たち〜
が開催されています。
日本の誇る製鉄技術の成せる技、
銀色に輝く刀身をみていると、
精神世界に引き込まれるような感覚です。
在りし日のもののふ達も、
刀身に自分の心を映しだしたのだとか。
刃という道具をどう活用するのかもその人の心一つなのかもしれません。
5/5のこどもの日には、
「刀剣鍛錬の実演」や「ギャラリートーク」も行われるます。
刀匠が刀剣をつくる様を間近で見れるこのチャンスをお見逃し無く!
また、最上義光のカブト「三十八間金覆輪筋兜」
(慶長出羽合戦または長谷堂合戦の鉄砲の弾跡あり!)や、
合戦で使用した「指揮棒」(刀二つ分の重さがある!)
も常設展示されています。
虎将とよばれた、最上義光の魅力満載です。
詳しくはホームページで。
続いては、「山形県立博物館」。
現在、企画展「清水大典と冬虫夏草」開催中。
その昔、「冬は虫の姿で過ごし、夏になると草になる」
と考えられたことから名付けられたのがこの植物。
厳密には、ある種の蛾の幼虫に寄生する菌類で、
広義には、虫などに寄生する菌類の総称でもあります。
この冬虫夏草の標本や、
米沢市に在住していた研究家・清水大典氏の書いた、彩色図などが展示されています。
昆虫の体長の数倍にも及ぶ冬虫夏草の標本も必見ですが、
この彩色図はもはやアートのレベル。それはまさに愛!
精緻に描かれた彩色図からは、冬虫夏草への思いの丈が感じられます。
また、5/5こどもの日には、おしばのしおり作りも行われます。
詳しくはホームページにて。
そして、「山形美術館」。
現在、企画展「福島県立美術館名品展」開催中。
福島県立美術館との美術館交流で、
両館の美術品をお互いの県で楽しむことが出来ます。
関根正二を中心とする日本の近代洋画、
アンドリュー・ワイエス、ベン・シャーンなどの
アメリカ具象絵画のコレクションは
国内でも特色あるものとして高く評価されているとか。
企画展の詳細などはホームページで。
学芸員のW氏おすすめは関根正二さんの作品。
夭折した天才の心の動きを感じて欲しいとのこと。
アートの素養のない僕ですが、
並んで展示されている彼の作品の焦点、
どこかくっきりと、どこかぼやけてみえる彼の作品に、
彼の思いをかいま見た気がしました。
他にも、様々な作品があり、
濃淡に思いを映す物。デザインに思いを照らし出そうとする物。
はたまた、描く事自体に意義を求めようとする物。
ありとあらゆる人の想いがうずまいていました。
閉館後のひっそりとしたミュージアムに、
さながらたくさんの人がいるように・・・
これは、美術品だけにいえることではないのでしょうが、
アート・音楽・文学・・・果ては僕たちの発する言葉にまで、
その人の想いは込められており、そして、
時には人はその想いに共感し、はたまた反発し、
そうやって文化を感じ・受け継ぎ・生み出していくのだと・・・
美術館を出て、ふと空を見上げると、
夜の帳がおりていく、藍色のグラデーション。
美術館や博物館の中にも・・・そして外にも・・・
素晴らしきものが広がっている。
ぼくら人間は、その素晴らしき物を
何らかの手段でだれかにつたえようとしているのかもしれない。
個人という個体の外にある物を、
自分の中に取り入れいこうとする試み。
それはインタレストであり、
それが、僕らをさらなる未来に運んでくれる原動力なのではないだろうか。
皆様のGWという時間が、
そういった素敵な時間であることを祈りながら。